人種や、宗教や、見た目、年齢、性別などに関わらず、”人間を看る” それが私の信条です。
米国の医療機関は、国際移植学会が示す倫理的指針に従いつつも、独自の判断で外国からの心臓移植患者を受け入れることがあります。
米国では心臓移植を行う医療機関は多くはありませんが、移植待機リストに登録される患者は多く存在します。その中には海外からの移植手術を希望する人もいます。ただし、米国の医療機関は、自国患者の不利益にならぬよう、海外からの患者受け入れに際しては慎重な意思決定がなされ、移植手術を行うかどうかの判断を下します。
米国では移植手術に関する法律や規制が厳しく、移植を受ける患者に対しては多くの情報提供が求められます。そのため、患者のみならず、送り先の医療機関との連携はとても大切です。患者やその家族に対しては、移植のリスクや効果について十分な説明がなされ、自己決定の権利が保護されます。
渡米後は米国の基準に従って申請をし、待機者リストの最後尾に並び直します。決して割り込みをしているわけではありません。ただ、渡米されるケースのほとんどが重症度が高い患者のため、必然的にステータスは上位に位置付けられることが多いです。
上記に加え、ドナーの地理的な場所、血液グループ、ヒト白血球型抗原に対する抗体の有無、身体的な大きさ、受け入れる医療機関のベッドの状況など、様々な理由によって、最終的に受け入れるかどうかが決定されます。
色々な難しい問題を考慮しつつも、結局のところ、「患者に何が起きていて私には何ができる?」ということです。その過程で誰か他の人が傷つけられるというわけでなければ、少なくとも私の理解では、その医療機関は、我々の助けを必要としている誰かにサービスを提供していると考えています。医者である私の信条は、”人間を看る” ということです。
人種や、宗教や、見た目、年齢、性別などに関わらず、”人間を看る” それが私の信条です。