活動内容
小児臓器移植に関しては、国内では提供者が少なく、現実的に国内で移植に到達できるのは雲を掴むような状況です。特に脳死下での提供でしか救われない小児の心臓は何十年も深刻な状況が続いています。そのため国内での待機をあきらめ、海外(主に米国)に助けを求めるケースが後を絶ちません。しかし、海外での移植には莫大な費用がかかり、そのほとんどを募金に頼らざるを得ないというのが現状です。
やむなく渡航移植をせざるを得ない患者さん及びご家族、そしてそのご家族を応援する人たちに、これまでの経験に基づき親身になってアドバイスをさせていただいています。
この写真は、移植が成功し海外から帰国後、移植を受けた本人・ご家族・救う会のメンバー・そして募金活動などに参加いただいたサポーターが集まった時の写真です。 様々な困難な壁を乗り越えた先に待っている未来です。
熱い夏であれば熱中症に気をつけながら、寒い冬であれば身体中がこごえる中、必死に募金活動を行わなければなりません。そのように必死で活動を行っても思うように募金額が増えないこともあるかもしれません。また、多くの方の善意で必要なお金が集まり無事海外へ渡航できても、渡航先で病状が急変するなど予測できない事態も起こるかもしれません。
たくさんの乗り越えなければならない困難がありますが、渡航先で奇跡的にドナーと巡り会い、手術が成功し無事帰国した先には素晴らしい未来が待っています。みんなが移植の成功を祈りながら、一つになって力を合わせ、そして喜びを分かち合える。このような未来を目指しましょう。
主治医より患者さんを救命する医療手段が臓器移植しかない、という説明を受けた後、または、入院している患者さんのつながりから同じ境遇の経験者のご家族から私たちのことを紹介されるかもしれません。
カウンセリングには事前にご連絡をいただき、最低でもご両親、可能な限り近しいご親族にトリオ・ジャパンの事務所まで来ていただき、お話を聞いていただくようにお願いをしています。私たちから渡航移植までの道のりの説明をさせていただいた後、ご両親の覚悟が確認できたら一緒に伴走させていただきます。
トリオ・ジャパンでは、国内・海外を問わず、臓器移植を希望される患者さんやご家族、あるいは医療従事者、その他関係者の皆様からのご相談に対応させていただいています。
この他、臓器移植に関することでしたら、些細なことでも構いませんので、お気軽にご連絡ください。相談の内容に関しましては、プライバシーを厳守し、他に漏れることは一切ありませんので、ご安心下さい。
ご両親が「渡航移植」を決断し、覚悟を決められたことを確認できた場合、「善意・感謝・信頼・誠実」の4つの言葉を胸に渡航移植に向けた主治医とのやりとり、募金活動に係る全般、デポジット等の費用設定や航空機の手配など関係各所の調整、出発当日のお見送りまで助言させていただきます。
国内での移植登録と海外での受け入れ先の決定医療機関から医学的に移植が必要と判定され、日本臓器移植ネットワークに待機者登録します。主治医や治療先の医療チームの協力を得ながら、渡航移植が可能な海外の病院と交渉していただき、受け入れ先が決定し、受け入れ可能な保証金の提示があります。海外渡航移植を考えられてるご家族は国内待機登録の時点で私たちに相談に来られます。
学生時代の友人、職場の同僚、父母会の仲間など、信頼できる仲間を募り、救う会を立ち上げます。FacebookやTwitterなどのSNSに加え、救う会専用のホームページも作成し情報の発信を行うとともに、街頭募金を中心に実際の募金活動をスタートさせます。親しいお仲間でさえ国内における臓器移植の事情について知らない人がほとんどです。私たちからも丁寧に説明させていただき、熱量を持って活動を開始します。
募金活動が進み、募金が目標金額を達成すると、渡航手続きを開始します。チャーター機の手配や、受け入れ先病院との日程調整を行います。また募金をしていただいた方々への説明責任として募金使徒の中間報告なども行います。
アメリカへの渡航は約10時間。その間に何かあってもしっかりと対応できるように、日本の医療スタッフが受け入れ先の病院まで同行します。ここから先は渡航先の現地スタッフへと担当が変わります。
帰国当日は空港へ患者さんとご家族の本当の笑顔に会いに行きます。また、移植後の皆さんの元気な姿に会うことを楽しみに年に一度同窓会を開催し、移植者同士の交流の場を設けています。募金に協力していただいた皆さんと臓器提供者とその家族への感謝の気持ちを忘れずに患者さんの人生が豊かに輝くことを祈っています。
臓器移植をされた患者さんの予後は、移植をした臓器や年齢などにより個人差があります。帰国後であっても残念ながら、移植後の合併症等により亡くなってしまう方もいらっしゃいますが、多くの方が元気に帰国をし、国内の主治医のもとで薬の調整をしてもらいます。退院したら幼稚園や学校に通ったり、大好きなパパやママ、兄弟たちと共に食事をしたり、遊んだり、家族全員で川の字になって寝たりと待望の日常生活に戻ります。
ただし、移植後の拒絶反応を防ぐための免疫抑制剤等のお薬を生涯服用するという管理が必要となります。また人によっては運動制限を強いられるなど、頂いた命を大切にするための制限のある生活が必要となる方もいます。
彼らにとって、社会復帰を果たした喜びは何物にも代えられない感動となります。そして新しい命をいただいた臓器提供者とそのご家族に感謝の気持ちを忘れずに、ドナーとレシピエントの絆をもって、二人三脚で人生を歩んでいくこととなります。