2023年に日本国内で心臓移植の手術に成功した、五十嵐 好乃(この)ちゃん(当時11歳)に関する情報をお伝えします。
この度は、国立循環器病研究センター小児循環器内科へ温かいご支援をいただき誠にありがとうございました。深く御礼申し上げます。
寄付金は今後の同じように心不全で心臓移植を待機する子供たちのためにEXCORR activeの購入を予定しています。
この機械は従来のIKUSという駆動装置と比べ、小さく、軽くなったことで移動性が格段に上がります。また、従来はバッテリー駆動時間が30分に限られ、子どもたちは散歩に出かけても30分以内に病棟に戻らなければなりませんでした。
しかし、この機械では最大6.5時間のバッテリー駆動が可能となり、子どもたちの自由度が上がることが予想されます。
[ 発達促進プログラム ]
待機患児の入院生活はベッドもしくはベッドサイドに限られ、学童児の場合は訪問学習による勉強が週3日となります。集団生活からの隔絶は、子ども同士のやり取り(言い争いや、仲直りそして共同作業)ではなく、大人とのやり取りが主体となってしまいます。
そしてデジタルデバイスへの依存や大人のオーバープロテクションによって認知機能の発達に支障が出てきます。
我々はこの、医療では介入し難い問題に対して、リハビリテーションの充実という観点からあらたな挑戦を始めました。認知機能の促進には体を動かすことに加えて、マインドフルネスを同時に行うことがいいと考えました。
簡単に言うと、武道の応用です。武道には礼節、尊敬などを重んじ、マインドフルネスとエクササイズに融合していると言えるのです。しかし、心臓移植待機患児に武道は困難なので、ピラティス・ヨガをリハビリテーションメニューに取り入れることを始めております。
まずは、理学療法士2名にピラティス・ヨガインストラクターコースに入門し、現在インストラクター資格を取得しています。その後に、心不全患児のリハビリテーションメニューとして新たなものを発表する予定です。その先には、開発した新たな小児リハビリテーションメニューを保険収載できるよう進めていきたいと考えております。
そのためには国際的に認可されたインストラクターとしての資格を取得する必要があり、資格取得に寄付金の一部を使用させていただきました。その後は実際の子供たちと一緒に毎日のリハビリテーションの一環として取り入れてまいります。
[ リフトンペーサ―の購入 ]
乳幼児期に補助人工心臓を装着してしまう場合は、座位・立位および独立歩行を獲得する前に腹部から送脱血管が存在し、膝あたりまでポンプがついてしまいます。
この状況で独立歩行を獲得するリハビリテーションは難しく、写真にあるような小児用の歩行器の購入をさせていただきました。EXCORのドライブラインもポンプも支障なく歩行訓練ができます。
[ 医師より ]
皆様の温かいご厚意により、当院に2台の最新の心臓超音波装置が届きました。感謝しても感謝しきれない想いです。深くお礼申し上げます。皆様の思いに答えられるよう、より良い医療を提供できるよう頑張って参りたいと思います。本当にありがとうございました。
[ 保育より ]
iPadとプロジェクターを購入させていただきました。ボランティアの方が主催するオンラインイベントを楽しむ時や病棟内で映画観賞会をする時など、様々な場面で活用させていただいております。また、子どもたちのお誕生日の時には、おたんじょうびえほんに保育士からのメッセージを書いて、プレゼントしています。この度はありがとうございました。
[ 看護局より ]
このちゃんの回復への思いが込められたご寄附をいただき、看護局では病棟の医療機器やよりよい療養環境を備えるための備品等を揃えることができました。皆さまからのご期待に沿えるよう、看護の使命を果たしてまいりたいと思います。皆さまの温かいご厚志に、看護局一同心より感謝申し上げます。
[ 薬剤科より ]
散薬調剤ロボットを購入させていただきました。これまで粉薬の分量を量るのに時間がかかっておりましたが、この機械の導入により患者さんに説明する時間を増やすことができました。今後も医療の質を向上させ、皆様のご期待に応えられるよう頑張りたいと思います。この度はありがとうございました。(納品待機中)
温かいご支援に感謝申し上げます。
いただきましたご寄附は、全国の小児病棟にて付き添う家族への支援事業に大切に使わせていただきました。
長期間小児病棟で付き添うご家族への「付き添い生活応援パック無償配布事業」は、2023年度約3,000名にお送りいたしました。
今年度は、長期面会に通うご家族への支援も開始し、子どもの幸せを真ん中に、
子どもが望むときに親といつでも一緒に過ごせる入院環境と、
親が安心して「付き添える・任せられる」ことが保障された付き添い環境の実現を目指してまいります。
付き添い生活応援パックの詳細につきましてはこちらをご参照ください
https://momsmile.jp/activity/mono/
その他の活動につきましては、弊法人HPをご参照ください
https://momsmile.jp/
いつも弊会にご声援、ご支援を誠にありがとうございます。
余剰金の手続きがすべて完了し、下記の通り最終会計報告を致します。
会の立ち上げから2年が経過しました。
この間、とても多くの方々にご支援を賜り、時には厳しいご指摘も頂きながら役員全員で会を運営して参りました。
「このちゃんを助けたい」という強い思いで集まったメンバーであるがゆえに、
会の中でも意見がまとまらなかったり時には衝突しながら、それでも「このちゃんの命が助かるまで」と懸命に活動を続けてきました。
3月の小学校の卒業式に出席することができたこのちゃんの姿を見て、この2年間の活動がやっと報われた気がします。
長きに渡り弊会の活動を支えてくださったトリオ・ジャパン様をはじめ
ご支援、ご声援をくださいました関係者全ての皆さまへ感謝を申し上げます。
弊会は6月末をもって閉会する予定です。
7月以降の活動報告はトリオ・ジャパン様のホームページ上でお伝えいたします。
これからもこのちゃんを温かく見守ってくださいますようお願い申し上げます。
3月27日(水)記者会見にてお伝えした余剰金の寄付先での取り扱い状況についてご報告致します。
国立研究開発法人国立循環器病研究センター様(準備中)
神奈川県立こども医療センター様(準備中)
社会福祉法人産経新聞厚生文化事業団あけみちゃん基金様より
『臓器搬送にかかる費用負担の補填』に使うこととしております。
現在、臓器搬送費の大部分は高額療養費や各自治体のこども医療費助成などが支給されますが、
一部の健保におきまして数十万円の患者負担が発生する場合がございます。
そうした患者負担が発生した時の補填に使用させていただきます。
ホームページ(https://akemi-f.com/)
認定特定非営利活動法人シャイン・オン!キッズ様(準備中)
NPO法人キープ・ママ・スマイリング様(準備中)
公益財団法人ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパンが運営する「おおさか健都ハウス」様より
今回、ベッドルームのマットレスの上に敷くマットレスパット新調に使わせていただきました。
経年劣化によりたびたび改善希望の声が上がっていた既存ベッドの寝心地をよくすることで、
ご家族の満足度と笑顔に繋げることが出来ましたこと、心より感謝申し上げます。
国際移植者組織トリオ・ジャパン様
海外渡航での臓器移植を必要とする小児患者及びその家族に対する臓器移植に付随する費用の支援のために下の覚書の通り寄付致しました。
公益財団法人公益推進協会こども海外心臓移植支援基金様
国内移植に至り、他の海外渡航移植手術を目指す子どもたちのために助成金を返金致しました。
3月27日(水)川崎市記者クラブにて記者会見を行いました。記者会見の模様は各社報道をご覧いただけますと幸いです。
記者会見にてお伝えした余剰金の寄付先についてご報告いたします。
当会役員会にて、余剰金は国内の移植医療推進の観点から、関係機関(病院、公益法人等)に寄付することを決定しました。
寄付先と寄付金額は以下のとおりとなります。
国立研究開発法人国立循環器病研究センター 75,500,000円
※置型補助人工心臓購入 (50,000,000円)
※発達障害に対するプログラム導入 (25,500,000円)
神奈川県立こども医療センター 75,000,000円
※看護局(患児の為に備品購入) (25,000,000円)
※循環器内科 (超音波機2台購入) (50,000,000円)
社会福祉法人産経新聞厚生文化事業団あけみちゃん基金 50,000,000円
※臓器移植後支援(臓器搬送費用等)に使用
認定特定非営利活動法人シャイン・オン!キッズ 30,000,000円
※ファシリティドッグの運営費用
NPO法人キープ・ママ・スマイリング 2,500,000円
※入院中の子どもに付き添う家族への食事支援と生活用品の購入資金
公益財団法人ドナルド・マクドナルド・ハウス(おおさか建都ハウス) 2,500,000円
※子どもの治療に付き添う家族の為の滞在施設の運営費用
国際移植者組織トリオ・ジャパン 100,000,000円
※海外渡航での臓器移植を必要とする小児患者及びその家族に対する臓器移植に付随する費用の支援
公益財団法人公益推進協会こども海外心臓移植支援基金 200,000,000円(助成金返金)
※国内移植に至り、他の海外渡航移植手術を目指す子どもたちのために返金致しました
平素より国際移植者組織トリオ・ジャパンの活動に多大なるご支援、ご協力をいただき誠にありがとうございます。
このたび「このちゃんを救う会」の閉会にあたり、
海外渡航移植のために頂いた大切な余剰金をお預かりする運びになりましたので報告いたします。
亀の歩みではあるものの、海外に渡らずとも日本社会においても着実に救われる命が増えてきました。
しかし、臓器移植でしか救われない患者さんにとっては現実の医療と呼ぶにはほど遠く、
特に小児の患児や家族にとっては未だ雲を掴むような医療で在り続けます。
「このちゃんを救う会」から預からせて頂いた余剰金は、
海外へ助けを求めざるを得ない患者さんが現れた時のために、大切に保管させていただきます。